予備校の注意点  上智スクール(葛飾区柴又)

予備校の注意点

 大手予備校の授業は、一クラス50人くらいの一斉授業です。
 一クラス50人でも、授業料は安くはありません。大手予備校の授業は、たしかに普通の高校の先生の授業と比べても、わかりやすく、丁寧で、面白い授業です。

 

 やはりプロの予備校教師であれば、大規模予備校はもちろんですが、中規模以上の予備校であれば、教師の水準はどこも高いと言えます。

 

 しかし、授業が上手で、わかりやすい授業である反面、生徒はわかったつもりになってしまう、という隠れた弱点もあります。予備校教師の仕事は、あくまでも、わかりやすく、面白い授業を全力で行うことです。

 

 しかし、一番大切な、予習や、復習は、授業を聞いた生徒の“自主性”にまかされています。あとは、各自、それぞれ工夫して復習してくださいね、ということです。

 

 予備校の授業を受けて、学力がつく生徒と、そうでない生徒の違いは明らかです。
 学力がつく生徒は、普段からコツコツ勉強していて、何を、どれだけ勉強したらよいか、全体の見通しをもっている生徒です。学校の授業をしっかりこなし、テストでいつも高得点がとれている生徒は、自分なりの勉強の仕方を確立しています。

 

 そういう生徒は、志望大学の合格に向けて、あと一歩、何が必要かがわかっています。誰にでも、得意もあれば、不得意もあります。よくできる生徒は、自分の弱点も知っているので、予備校は、そういう生徒が、自分にとって必要な講座を絞って利用すると効果があります。

それとは逆に、予備校に行っても効果がない人は、

× 大学受験について、自分の志望大学合格のために、何をどのくらいやれば

いいのか?漠然としていて、はっきりとしていない人

× 予備校に行けば、なんとかなると期待している人

 

 実は、多くの生徒がこれに該当します。
予備校業界では、近年は、代々木ゼミナール、河合塾、駿台予備校といった大手予備校の規模が大きくなり、規模を維持し、必要経費を確保するために、多くの生徒に入ってもらわないと経営が成り立たなくなりました。
 規模が大きければ大きいほど、どの予備校も生徒集めにやっきです。

 

 高校生になると、いろいろな予備校から入学案内のパンフレットがどさりと送られてきます。昔は、予備校といえば、浪人生が中心で、駿台予備校などは、「大学入試で明治大学には合格したが、駿台予備校は不合格だった!! 」 という話も当たり前なくらい、できる生徒しか入れてもらえませんでした。

 

 しかし、できる生徒ばかりでは数が限られています。予備校の収入源は、授業料だけですから、規模が大きくなってしまうと、たくさんの生徒を入れて、たくさんの授業料を集めなければならなくなりました。いきおい、今では、できる生徒だけでなく、予備校に行っても効果の低い生徒まで大量に入れるようになりました。

 

 予備校はあくまで、学校の授業や、受験参考書を「分かりやすくしたバージョン」にすぎません。大学受験合格のために、何を、どのようにやればいいのか?が分かっていない人にとっては、予備校という場所は、役には立ちません。

 

 大体が、「この授業も取っておいた方がいいかな・・・」
「友達は〇〇個も取っているから、自分も・・・」と不安の中で、こなしきれない程の講座数を取り、自滅していくのがパターンです。

 

 予備校はあくまで、自分でバリバリ勉強する人を、側面から支援するための場所です。勉強のやり方を、手取り足取り、何から何まで、丁寧に教えてくれる場所ではありません。

 

 予備校のパンフレットを見ればわかりますが、予備校の講座というのは、講義の内容が細分化されています。英語も、数学も、同じ単元でも、東大レベルから、早慶上智レベル、G-MARCHレベル、日東駒専レベル、というぐあいに、応用・発展レベルから、基礎レベルまで、授業の内容も難易度の段階があります。

 

 まさか、一番レベルの高い東大レベルのクラスの授業を受ければ、それ以下のG-MARCHくらいの大学なら受かるのではないか、と勘違いする生徒はいないとは思いますが…。

 

  しかし、なんとなく、そう思う生徒や、保護者の方は、少なからずいるようです。予備校の案内書には、どことなく、そう錯覚させるところがあります。

 

 

予備校…裏話

 

 大手予備校の案内書を見ると、東大や、早慶などの合格者数の多さにおどろかされます。
 予備校の“裏話”になりますが、実はこれにはからくりがあります。 東大合格者数が十本の指に入るような受験有名校の新高3生には、授業料がほぼ無料「特待生」の招待状が、あちこちの予備校から送られてくるのです。

 

 予備校にとって、もともとできる生徒は、のどから 手がでるほど来てもらいたい人たちです。できる人は、すでに自分なりの勉強法を確立していて、バリバリ勉強しているから、予備校などに行かなくても、予備校の模試を受けると高い偏差値です。そういう人を 特待生にしたい。

 

 当然、もともとできる生徒を入れれば、 予備校が何をしなくても合格します。そして、合格者の人数に入れることができます。そういう人たちは、本当は予備校に行く必要はないのです。でも、無料だから、できる人は、とりあえず受けたい科目 だけ受けてみようか、とか、特待生として登録だけはしておく、というのが普通です。なんといっても、無料ですから !! 一人でいくつかの予備校の特待生になる、というのも珍しくはありません。

 

 一年間を通して、結局、予備校 を利用しなかった場合でも、東大や、早慶に合格すると、それらの予備校の合格実績に入れられてしまいます。(東大に合格する人は、早稲田や、慶応など、他の大学も受かります。)
  こういう人が、東大、慶応、早稲田と、いくつもの予備校の合格実績にカウントされるので、足し合わせると、大学の実際の 入学定員をはるかに超えてしまう、という奇妙な現象がおこります。

 

 なぜ無料にしてまでも、予備校はこういう人がほしいのでしょうか…?? 無料では、利益がなさそうなものですが…??
 いや、しかし、 「東大〇〇人合格 !! 早慶〇〇人合格 !!」という合格実績が華やかなパンフレットを見た、何十倍もの人たちが、「これだけ有名大学にたくさんはいっているのだから、この予備校に入ったら、もしかしたら、 「自分」も、入れるかもしれない、、、と、わんさと集まってきてくれます。そういう人たちからは、たっぷりお金をとります。

 

 こういうからくり。予備校に行くなら、東大合格レベルの特待生、 としてであれば、たしかにお得なのですが…。

 

 

              (上智スクール柴又教室 指導風景)

上智スクールのブログ